電話リレーサービスほか。

新社会人の長男が暮らす物件探しと契約に、
先日、同行しました。

大学時代の契約者は私だったのですが、
今回から契約者は息子本人。
私は保証人。
なんだか不思議な気持ち。
まぁ、もう十分に大人なのだけれど。

不動産屋さんから確認されました。
「大家さんに、
耳のことをお伝えしていいですか。」

一瞬、それで契約できなくなることもある?
とドキっとしましたが、

伝えずに契約するつもりもなく、
逆に伝えて断られるようなことなら、
その物件にはもともと縁がないと思うので、

もちろん、お伝えいただいた上で、
契約したいと答えました。

無事、契約成立。

大学時代に4年間一人暮らしをしていて、
電話でなければならない手続きや問い合わせは
写メやラインを駆使し、
私が代行してきたけれど、

息子もお世話になったことがあるというサービス、
電話リレーサービス。

耳が聞こえない人が
手話通訳者のオペレーターに、
スマホやパソコンのテレビ電話で要件を伝えます。

オペレーターが代わりに、
電話をかけてくれるというもので、
さらに、その回答を今度は手話で伝えてくれます。

オペレーターが同時通訳者となって、
コミュニケーションを助けてくれる仕組み。

滅多につけない朝のニュースなのに、
たまたまつけていた時に、
NHKニュースおはよう日本の中で、
取り上げられていました。

「電話が使えない」 聴覚障害者の苦悩

http://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2019/01/0118.html…

2018年10月に起きた、
北アルプス・奥穂高岳での遭難事故。
遭難した3人は聴覚障害者。

警察や消防に直接電話ができない中、
頼ったのが、
民間の電話リレーサービスだったそうです。

連絡が寄せられたのは日暮れも近く、
事態は緊急を要していました。

でも、民間の事業では、
110番や119番への通報は
取り次がないルールになっているそうなのです。

しかし、この時電話を受け取ったオペレーターは、
そのルールを超えて対応を始めました。
その甲斐あって、
3人のうち2人の命は助かったそうです。

電話リレーサービスは、
アメリカやイギリスなど世界20か国以上では、
国が整備する公共サービスで、
その多くは24時間対応なのだそうです。

一方、日本では、
民間の試験的な事業にとどまり、
利用時間も朝8時から夜9時までと限定的です。

しかも、110番や119番が使えないって
どういうことだろう。

電話リレーサービスの整備が進んでいないことで、
命が脅かされる事態も起きている現状を、
どうすれば改善できるのだろう。

そんなことを思っていた時に、
4,500人以上の方にシェアいただいた1.17の記事
https://www.facebook.com/keiko.oniwa/posts/2201608093224998

をご覧になって、連絡を下さった方がおられました。
伊藤 芳浩 (Yoshihiro Itou)さん。

NPOインフォメーションギャップバスターの理事長で、
コミュニケーションバリアの解消のために、
色々な活動をしておられる方でした。
http://www.infogapbuster.org/

まさに、電話リレーサービスについても、
普及に取り組まれている方。

すべての人が電話できる社会に
– 電話リレーサービス普及プロジェクト
https://www.facebook.com/trs.jp/

また、伊藤さんに繋いでいただいた方で、
弟さんが難聴、
ご本人は手話ができる弁護士になられている
藤木 和子 (藤木和子)さんとは、

FBメッセンジャーでご挨拶した翌日に、
なんと東京でお茶ができるというミラクルご縁ぶり。

初めましてなのだけれど、
聴覚障害のある家族を持つ者として、
姉として、母としてと立場は違えど、
話は尽きず、楽しい時間でした。

和子さんは(藤木先生って言ったほうがいいのか。)
明日、TV番組(NHK Eテレ ろうを生きる 難聴を生きる)に出演されます。

▼ろうを生きる 難聴を生きる
「聴覚障害者とともに闘う弁護士」
https://www.nhk.or.jp/heart-net/program/rounan/915/
放映日時:
2019年2月2日(土) 午後8時45分 〜 午後9時00分

きょうだいなどの家族にも
「コミュニケーションバリア」が存在するため、
NPOインフォメーションギャップバスターも、
今後家族問題を扱う団体と連携していく予定だそうです。

聴覚に障害があっても、
等しく安心して暮らせる世の中に。

こういうことを書くと、
必ず視覚障害や、
他の障害についてはどうなの?
というご意見をいただきますが、

わたしは聴覚障害を持つ息子がいるので、
まずはこの分野からでゴメンなさい。

様々な状況にある方達への、
理解、関心、意識を、
それぞれの立場で、
少しずつでも広げていけたらいいなと思います(*˘︶˘*)

あらゆる方々に有益な情報となり得る、
大規模災害時のFree Wi-Fiや、
安否情報検索サービスについてはこちら。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2217938368258637&set=a.163961136989714&type=3&theater

この記事を書いた人