家に帰ると、
役所に提出する診断書が、
大学病院から届いていた。
初診のころの所見にかかれているのは、
「先天性両側高度感音難聴。
意味のある言葉の発語はなし。」
医療ではどうにもならないけれど、
お母さんさえ頑張れば、
この子の言語は教育で伸びます。
意味のある発語がなかった息子は今、
大学生になり、
一人暮らしをしている。
息子の障がいをだしにして、
営利活動をするなんて、
と昔言われたことがある。
その時は、とても悲しかったし、
悔しかったし、怖かった。
でも今は、
だからこそわかったことや気づいたことが、
お役に立つと思うし、
恩返しという意味も含めて、
その世界の方々にも伝えていけたらと、
思っていると胸を張って言える。
明日は、いただいたご縁からのつながりで、
ろうあ会館の職員の方々50名に、
研修をさせていただく。
半数が聴者。
半数が、聴覚にハンディのある方々だと聞く。
聴こえにくい方たちにわかりやすいものは、
聴こえる人たちにも間違いなくわかりやすい。
そう思って、準備を重ねてきた。
その職員の方々の先にいる人たちのこともイメージして、
明日も取り組みたいと思っています。
きっといい時間になる。いい時間にする。
なぜか根拠のない確信です。