泣いた分だけ、笑えるんじゃないかな。

「この音、なんの音?」

駅のホームで、
小学生の男の子が、
お母さんに聞いていました。

「この音はね。」
お母さんは丁寧に応えてた。

そう。
その男の子は、
視力にハンディがあるのです。

ひとつひとつ、
細かく。
おかあさんは説明してました。

息子さんの目となって、
見たことのない世界を、
みせてあげるお母さん。

毎日、丁寧に丁寧に、
積み重ねておられるんだな。

聴力にハンディのあるわが子に、
わたし達母親は、
毎日毎日、音を見せてきました。

絵カードにして。
絵日記にして。
発音記号にして。

のどに手をあてさせて。
スピーカーに耳を押し当てて。
太鼓に紙吹雪をちらして。

視覚障害でも聴覚障害でも。
ハンディがあってもなくても。

お母さんたちは、
(お父さんも・・・。笑)
一生懸命子供に向き合ってる。

クラッカーの音聴こえるかな。
鳩時計の音、気づくかな。

わが子の音への反応を、
じっくり観察していたころを思い出した。

夢の中で「おかあさーん」と呼ばれて、
嬉し泣きしながら目がさめたこともあった。

10年前は不安だらけで、
心細くてしかたなかった。

がんばった分だけ。
泣いた分だけ。

今、笑顔でいれる気がする。(*˘︶˘*)

落ち葉をふみしめて。
幼かった息子とよく歩いた公園にて。

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