いつも思っています。いつ死んでも構わない、って。
決して後ろ向きな感情ではなくて、
それぐらい恵まれている毎日で、もう未練も後悔もないのです。
そう思っていたのですが、
ふと1つだけ、どうしてもしておきたいことが心に浮かびました。
1冊目を出版したのが2014年。 早くも7年経ちました。
この本では、主に、聴覚に障がいのある長男との関わりの中で、
感じたこと、気づいたこと、学んだことを書き記しました。
でも、同じように大事に育ててきた次男のことをまだカタチにしていない。
お兄ちゃんにはアルバムがあるけど、 弟には整理されていない写真しかない、
みたいなこと、ありがちですよね。
これは最期のときに、唯一後悔すると思いました。
今年中に2冊目を書こう、と年初に決めました。
一応次男に確認しようと思って、
若干緊張気味に言葉を選んで、勇気を出して切り出しました。
「お母さん、2冊目を書こうと思うんだけどね。
今度は、障がいのある兄弟がいる”きょうだい”について書こうと思うのよ。 どう思う?」
息子はしばらく沈黙でした。
自分のことを本に書かれるって、やっぱり嫌かなと思っていたら、
ようやく口を開いた次男。
「いとこってこと?」
なんでやねん。なんでいとこになるねん。
障がいのある兄弟のきょうだいっていったら、
あなたのことやんか。
「あー、オレか。 書くことあるんやったら別にいいけど。」と、
許可が出ました。
許可が出たので、構想を考え始めました。
障がいをもつ兄弟姉妹がいる”きょうだい”には
彼ら特有の経験や想いや悩みや課題があるに違いなくて、
そういう立場の人たちに、何か力になるようなことが書けないだろうか。
もしくは、障がいのある子どもとその”きょうだい”を育てている
子育て真っ最中のパパやママに寄り添えるような、
そんな本にできないだろうか。
そんなイメージをしながら、
出版社&印刷会社は決まっていて、
表紙もイメージは決まっていて、
イラストを描いてくださる方も決まって、
帯を書いてくれる方も決まりました。
今回はクラウドファウンディングで、
できるだけ認知を広めてから出版できたらいいなと、
クラファンの審査も通しました。
が、肝心の原稿がまったく書けないのです。
書けないまま1ヶ月、3ヶ月、5ヶ月と時間ばかりが経っていきました。
お母さん向け?”きょうだい”向け?
いずれにしても、何か”ためになる””いいこと”を書かないといけないと思うと、
何にも書けないのです。
だって、”ためになる””いいこと”なんて、 私の中にないんだもの。
そこにあるのは、ただ、息子と向き合ってきた時間だけです。
全然書けないままいたあるとき、 次男が壁にぶち当たりました。
話をしに帰ってきた彼に、
お母さんはこう思うよ、ということや、
こんな言葉があるよ、というものをメモ書きして、話しました。
一通り話をしたあと彼が、
「この紙、もらって帰っていい?」と言ってきたのです。
そんな紙、そのまま置いて帰っていくだろうと思っていたから、
びっくりしました。持って帰ってくれるんだ・・・。
そのときに思ったのです。
本は、この子に向けて書こう。
どこかの知らないパパやママに、じゃなくて、
誰かわからない”きょうだい”に、でもなくて、
目の前にいるこの子に書こう。
これからの人生においても、きっと色々なことがある。
そのときにこの子が開いてみようと思える本にしよう。
この子に寄り添える本に仕上げよう。
いざというときに力になれる本を書こう。
そう思ったら、ざくっと2日でカタチにできたのです。
誰に向けて書くか、ということや、書く動機は、
大きな大きな原動力になることを、身をもって味わいました。
あんなに書けなかったのに、あっという間に書き上げました。
クラウドファウンディングも辞めました。
だって、ただの、息子へのラブレターですから。笑
息子へのラブレターなんですけれど、
1冊目と同様、ところどころに”しつもん”を置かせてもらいました。
読んでくださる方が、 自分ごととして、
感じてくださったらいいなと思っています。
先行予約の受付を開始します。 出版は9月23日予定。
7年前の1冊目の出版と同じ日です。
お届けできるのは9月23日以降になりますが、
ぜひ、ご予約いただけると嬉しいです。
予約販売分に関しては、消費税はサービスさせていただきます。
「だいじょうぶⅡ 〜”きょうだい”へのラブレター』美月ここね
定価1,980円(本代1,800円+税10%)→予約販売は1,800円
送料は何冊でも370円です。
予約受付フォームはこちら。